日記

2026.04.07

 離れている場所に細かな粒子が付着している。それは大きな白壁の壁面で、遠くからでも見ることができる。しかし、砂粒よりも小さい粒子は一粒々々、ざらついた手触りをもつものとしては見えない。それでいて、それが粒子であり、細かな粒子であることをわたしは知っている。知っているというつもりでいる。満開に近づいた桜を見ていると、わたしは桜に何を見ているのかわからなくなる。見ていること自体も怪しくなっている。今日もマルと墓を一周。曇り空、低い雲が辺りを覆っている。ラジオの電波も届かない。

 少しずつ、週末の催事の準備を行う。一番気になっているのは、アダナのベイビーでのワークショップ(活版印刷体験)において、ベイビーと呼ぶ印刷機できれいに印字が得られるのかどうかである。これまでの結果、きれいに印刷ができる状態に調整をしても、何度も試しているうちに、狂ってくることがわかっている。だから、途中で再調整を行う必要が生じてくるだろうと思う。それはあまり良いことではない。経験があまりないので、修正能力があるわけではない。自信がない。それで、今日も工房に入り、昨日の夜思いついたこと、すなわちブランケットを硬いものに取り換えるということを実践しようと思った。しかし、頭に描いていた硬いブランケットが見つからない。肝心なときに出てこない、姿を隠してしまうブランケットなのだ。仕方がなく、再度ベイビーの調整を行うとした。すると、圧胴が湾曲していることに気づく。どうりで凹んでいる箇所の印字がいまくいかないわけだと納得する。この圧胴の凹みを修正しようと木槌で叩くことにする。機械を壊さないように少しずつ叩く。相手は薄い鉄の板だから少しずつ曲がりが伸びてゆき、見た目には真っ直ぐになる。それで印字をすると、まあまあの結果が得られる。しかし、何度も印刷をしていると再び湾曲してくる。力の入れ具合の問題もあるかもしれないが、何度も行うことではやはり湾曲を修正することはできないと思う。それで再び、真ん中の凹んでいる圧胴部分に木のインテルで8分と4分を挟み、それでもムラが出る部分に紙を挟み、なんとか綺麗な印字が得られるように再びなる。もうこれ以上弄ると無限ループになるので、やめる。午後、販売用の作品を部屋いっぱいに広げ確認作業。金曜日までに製作しなければいけない作品と準備物を書き出す。それから搬入時の持ち出しリストを作る。

 夕、マルと散歩。児童公園を一周。寒い。花見どころではない。

 野田さんから世田谷美術館の紀要(令和27年)を拝受。ジョン・ソルト氏コレクションから野川孟から北園克衛に宛てて発せられた書簡がかなりの量整理され掲載されている。