日記

2025.06.27

 急に襲ってくる。赤い棘ではなく、青い静寂。それが音を立てずに頭の中に襲ってくる。頭は空中に放り投げられ、キリキリ舞になって降りてくる。その重力から解放された感覚がわたしの脳天を刺激し、実に嫌な思いを浮かび上がらせる。ないもかも嫌になるが、手放すことができない。マルは、家人と一緒に寝たせいか、いつもよりは元気であり、外に出てもはっきりと歩く意思を示す。長続きはしないが。朝の空気がひんやりとして、乾いた風が西の方からやってくる。吹き曝しになると、皮も実もそして虚な精神も少し、気が楽になる。

 午前、市村さんの栞の試作。メジュームと群青と黄色を同対比で混ぜ、緑の濃いインクで印刷。用紙はタイプ紙 60kg。明日、ロウビキする。それから床屋にゆく。

 午後、母屋に置いたテキン・岩手くんのインクを落とし、すばらく乾かす。次に、台所を片付けて焙煎を始める。先日フレゴリスから買ったベトナムのアラビカの豆。中火から始め、1ハゼで弱火に落とす。そして2ハゼが始まる前に火を止める。案の定、強火だと10分で始まった1ハゼが12分から始まる。14分過ぎで1ハゼが終わり、そのあと1分で火を落とす。左で取っ手を回していたので、どうも焙煎機が余計な力で動き、不安定になる。狙った酸味は綺麗に出ている。その後、ワークショップの宿題の名刺の印刷、本刷りを始める。最初の2人はまあまあだったが、最後の方の名刺ではうまくいかないことがっ多々あった。一つ、耳付き仕様の用紙だったので、用紙の辺と並行にならないものが多々出る。上下の空白も不揃い。そして、NOZOMI PAPER は圧を強くしたために凸版の枠も印刷されてしまう。それもいいかなと思ってどんどん印刷をしていたら、用紙が足らなくなり、なんとか圧を弱くしたときには遅かった。仕方なし。悶々とする。

 夕、遅い時間。マルと散歩。木陰に流れる涼しい風を正面から受け、気持ちよく約800メートルを歩く。 


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