2025.07.03

小高い丘や里山の頂には霧が漂っている。涼しい朝。寝静まらない鼓動を一晩中抱え、朝が来たからと元気になれと言われても、動きを止めない俺の体は疲弊しきっており、これ以上もうだめだ動けないと朝から言い出す。そうかわかったと言ってやりたいが、そうとも言えず。少しずつ騙し騙し動き始める。外に出ると、案の定、爽やかな風が吹いているような気がした。マルは、快調に脚を運ぶ。途中、苦手な犬が向こうに行ったと思ったら、どういうわけか引き返してきて、マルを抱っこして右往左往逃げ回る。疲弊する朝。電撃とショック。
特にやることを決めてはいなかったが、順番で押し出されたように詩誌の表紙の試作を行う。まず、コーティングされたパープル色の光る用紙を全紙判で1枚取り出し、三つに切り出す。それを工房に持ってゆき、断裁機で二つに割り、190×340mm の用紙を10枚作る。それから、組版を作る。適当に気活字の「GU」と「53」を母屋から持ってきて、縦横に並べ隙間を埋めてゆく。結構難しいと思ったが、案外崩れずに完成する。組版に埋めた五号のマルトを「詩誌回生」などの五号、二号の文字に入れ替える。さらに崩れる部分隠金属の小さなインテルをはめ込み、動かないようにする。30分程度で組版が完成する。次に、昨日届いたオフセットの墨のインクの缶の蓋を開ける。これが難しい。どこから開けていいにか分からず、終いにはトンカチと大きなマイナスドライバーを用意して、強引に蓋を開けようとする。でも、びくとも言わない。もっと力を出せと言われているような気がして、破壊を恐れずに蓋を開ける。そもそも蓋がどこか分からない。少し開いた気がした。インクが手に付着する。いよいだと思い強引にドライバーを捩じ込むと、どっとインクが飛び散る(嘘)。真っ黒く手を染めて、やっとテキンにインクを載せることができた。それから色々と試し刷りを行う。金属活字を入れたままに繰り返しのダブりの刷りを行うが、金属活字も一緒にダブルと面白みが消える。なので、金属活字は一旦外す。10枚全部試作を終える。まあまあだが、決定的なイメージが出来上がらないまま日を跨ぐ。
午後、インクを乾かす。オフセットのインクなのですぐに拭き取る。午睡。起きて3キロ走る。
夕、マルと散歩。
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