2025.12.17

あのとき見た風景は、覆いかぶさってきた黒い煙に塗りつぶされ、なにも見えなかった。いや、わたしが見ようとしなかった。見ることを知らなかったのかもししれない。見えてしまうことを恐れ、見えないことにしていたのかもしれない。通りの向かいの歩道を歩いている人、道を通る車、陽が落ちて黒ずむ家々、診察待ちをしている人たち。見えてくる景色を見てはいけないと制止するわたしの黒々とした気持ちが、先に進もうとさせない。いまを見つめろという言葉が聞こえてきたが、一瞬でわたしはその言葉を飲み込んだ。そしてすぐに見ようとして、見ないようにしていた。一夜明け、朝になっても黒い煙は部屋に立ち込めている。それが、誰のせいなのか。わたしのせいなのに、誰かのせいにしようとしているのだろうか。これからマルと散歩。散歩前。
気のせいかマルの歩様が昨日より安定感を失くしているような気がする。それでも必死にわたしからおやつをもらおうと歩く。
午前、用事で仙台へ。昼過ぎ、喫茶ホルンで昼食。久しぶりに夏海さん。近くの杜仙道で毎年開催している正月飾りの展示販売を見ようと定禅寺通りの向かい側に行くも、閉まっていた。喫茶ホルンでは、あの昨年印製作した森本学園カレンダーが1冊売れたとのこと。こんな年の暮れ近くにめくる月がもうなくなったカレンダーを買ってくれるなんて。と、今からでも来年のカレンダーを作ろうかなと思ったりした(嘘)。双紙とつぶやき詩集の在庫がまだある。それから近くのパン屋でおいしい食べ物を見つける。最後に、デ・ステルスカフィーでコーヒー豆を買う。帰宅後すぐに昨日見返しを貼って重しを載せていた詩誌に表紙を貼り付ける作業を行う。
夕、マルと散歩。土手、マルは相当にふらつく。
夕食前、詩誌10冊の製作。見返しを二つ折りし、本文と合わせて背に水引きして折り目を固める。それを10冊分行い、重しを載せておく。夕食後、今度は見返しを貼り、再び重しを載せておく。明日、もう10冊完成させる。
