日記

2026.03.02

 約50メートル先の木立の一つの木に、よく見ると、すくっと伸びた枝の先に鳥の形をした影が見える。この広々とした空き地を覆うように先ほどから甲高く鳴いている鳥の姿だ。その証拠に、嘴が少し動いている。どんな鳥なのか、なにを鳴いているのか、さっぱりわからないけれど、その鳥だけがこの空き地では鳴いている。清々しいではないかと思う。太陽が東から登り始め、一段と強い光を吐き散らしている。旋回すると、川面には、小さな水鳥だけが勢いよく水面を動いている。音と光に包まれ、朝をマルと散歩している。

 工房に入り、双紙の印刷。わたしの文章、「朴さんのこと2」13ページ。印刷した組版から活字を取り出し、新しいページの活字を植字する。その繰り返し。植字の際に、下駄を履かせた活字を届いた活字に入れ替える。しかし、いつものことだが、注文を忘れる活字が出てくる。必ず出てくる。「黄色」の「黄」が2個必要なのに1個しか注文していない。「地下鉄」の「鉄」が拾ってみたら旧字体の「鐡」だった。さらに「君」の注文を忘れている。そして、「抽象的」の「抽」の活字を拾っていたが、すだれの中には「押」の活字が逆さに入っていたらしい。「黄」は「きいろ」に、「君」は「きみ」に、「鉄」は「テツ」に変える。変則技。そして13ページの最後の行に「雪華」という文字が出てくるが、その「華」の活字が足りない。これは、仕方なく、前の行の行間を1行空白にして次のページに追い出した。そんなこんなで夕方までかかって15ページまで一気に印刷を終える。明日、あとがきが決まれば、最後の印刷を終えることができるだろう。か?。

 夕、マルと散歩。児童公園を一周。無口なマルとわたし。

 夕食前、15ページの印刷。