2026.03.04

外は久しぶりの雪。今年の冬の二回目の本格的な雪だろうか。重たい雪だ。マルはすっかり猫みたいに丸くなって暖をとっている。雪はまだ降っている。雪が降っているとあたりの音が消える。しんとした静かな朝に、坂本龍一のアクアを聴いている。心が癒されるのだが、こういう音には気を付けろともう一人の私が言っている。情感を持つ音は、旋律は感情をさらわれる。そしてなにもかもどうでもよくなる。危険なのだ。そういう言い伝えがある。その結果、何にでも夢中になれずに世の中を斜めに見る冷めた人間が生まれる。いや、ただのあまのじゃくだ。これから雪の中をマルと散歩する。足の短いマルは、雪が胸まで覆い、ラッセルして歩かなければならない、今のマルにできるのだろうか。
雪は思ったよりも積もってはいなかった。春の雪だ。シャーベット状にどろどろになっている。土手に向かわず、家の近くの墓を一周する。マルは邪魔するものがないので気軽に歩いている。午前、双紙にオマケでつける栞の製作。この作業で一番の難所はmariさんのインスタグラムのアカウントに出てくるアンダーバーを作字すること。活字はセンチュリーオールド8ポイントを使うが、このフォントにはアンダーバーの活字はない。なので作らなければいけない。作る方法は2つ。罫線で作る方法とアンダーバーに使えそうな活字を削って作る方法。約物や数字を収めている8ポイントの活字すだれを見ると二分のハイフォンの活字が使えそうなので、これを削って使おうと思う。削るのは、作字器を使うか、罫切りを使うか、2通りあるが、どちらも使わず、ジャッキで二分のファイフォンの活字を挟み込み、固定し、銅版画で使う銅を削る道具を使って作る。板で挟んだ活字(下に五号四分のインテルを入れてかさ上げの高さを調整した)をバニッシャーやドライポイント用の刃物で削ってゆく。印刷をしてみるとものになりそうなので、微調整を行い、完成させる。この辺の削り具合や手加減は、すべて感。やりすぎないこと。活字を削ったので上部に小さなスペースができる。そこには削った余りの金属インテルの欠片を入れ込む。上出来。印刷は、インクの色を藍色にする。これで印刷開始。難なく終わる。あとは4センチ幅に作った栞の幅が広いので、もう少し狭くする。これは断裁機で作業する。午後、4月に行われ、出展する仙台市秋保で開催される手ん店のチラシやはがきが今日届いた。それと印刷を発注していたワークショップのチラシが完成して届いているので、両方を持って近くのセレクトショップマーブルに伺う。置いていただく。
夕、マルと散歩。墓を一周。相性の悪い犬と遭遇しそうになる。マルは張り切って興奮しているが、よれよれだ。
