日記

2026.05.12

 一晩中、パチンパチンという音がする。襖一枚で隔てられた隣の部屋から聞こえてくる。音が一度鳴ると隣の部屋に明かりがともり、次に鳴ると明かりが消える。パチンパチン、パチンパチンと何度も音が続く時もあれば、パチンパチンと2回で終わる時もある。どうしたって最後は明かりが消える。それは何かの意思に基づいた音なのだろうかと考える。考えるだけではわからないので耳を澄ます。しばらくすると音のない世界に迷い込んだような錯覚が起き、再び眠る。今日も墓を一周。外は美しい。新緑の季節だ。

 今日は依頼のあった名刺の印刷200枚。仕事である。その前に庭に咲いたカモミールを余分な分だけ取り除く。バラの近くに咲いているものや育った野菜の上に覆い被さるように倒れているカモミールを。ひと段落ついて、母屋に入る。母屋にあるテキンは名刺印刷専用にしてある。胴張に取り付けた見当針の位置とチェースに取り付ける組版の位置は常に一定で、名刺のレイアウトで微調整を行う。先日、試し刷りを行い、調整は済んでいるので、今日は印圧を少し高めに調整して、本番の印刷を行う。印圧は、依頼主に裏に凸凹が出ても構わないから凹凸を出して欲しいと言われているので、目一杯、印字が潰れない程度に高くする。それから最初に試し刷りを行い、問題ないので200枚一気に印刷をする。午前で終わる。午後、少し疲れたので午睡。起きて、巻物の活字を注文したり、なにかザワザワとしてことを片付ける。それから近くの高校に行き苗を買う。最終日のどん詰まりの時間だったので、トマトやきゅうりといった定番の野菜苗はなかった。パクチー、ナス、ズッキーニなどの苗を買う。

 夕、暑いので尾形橋近くの桜並木の木陰をマルと散歩。久しぶりにここに来た。太陽は薄い雲に覆われて日差しが柔らかくなり、とても気持ちの良い散歩となる。マルはどうだっただろうか。

 寝る前、6日前に収穫し陰干ししていたカモミールでお茶を淹れる。