
三本木で米専業の農業を営みながら詩を書いている小関俊夫さんが参加している詩の同人誌です。発行は、一服の会。年6回発行です。購読を希望される方は1年間の購読料として2,000円(デジタルは1,000円)払うと送ってきます。手書きやワープロで打った文字をコピーして編綴した冊子です。今回の号の表紙絵は小関花子さんです。
小関さんの詩と絵が読みたくて購読しています。小関さんは、「やかん」18号に7篇を掲載しています。それぞれの詩の題名は、
「米」
「流転」
「種を下(おと)すと蒔(ま)くと埋めると」
「歓喜(かんぎ)」
「(1) (2)」
※丸数字です。機種依存文字なので、カッコ表記にしています。
「雨乞い」
「猛暑の午後」
どの詩も、小関さ農業をやりながら、山を歩きながら、自分の身に重ねた宇宙観で言葉を紡いでいます。そして、猛暑の夏の農家の泰然とした所作に至る思いをを書き留めています。
詩「(1) (2)」で、小関さんは書きます。
今後人的災害が多発するでしょう
それも大規模に
そんな時あなたはどちら?
(1) 自業自得の災害だから
逃げきれない時はあきらめる
(2) 科学と技術があるから
災害をのりこえられる
逃げきるまであきらめない
詩「(1) (2)」の第2連
二者択一を問うのですが、あきらめるか、逃げ切るまであきらめないか、という選択です。科学や技術に頼るのも嫌だとなると、あきらめるしかないという問いです。小関さんは、原子力発電、地球沸騰化、遺伝子操作などの科学や技術に頼ってきた人間が大規模な人的災害を起こしていると第3連で書いています。それならば、あきらめるしかないということになります。あきらめられない人間に対して問うているのです。自業自得の災害だからあきらめなさい、と書いているのだと思います。なにもかもそこから始まると。
どの詩にも小関さんが描いた絵が張り付いています。どの絵もいいですね。