日記

2025.08.31

 巣窟は暗いに決まっている。あかりの届かない奥にあるからなのだ。暗闇の中を手探りをして探し当てたとして、ふっくらとした柔らかなスポンジのようなその巣に居場所はない。ただ吸い取られるばかりで、逃げることもできないし、どうしようもない。諦める。嫌だけれども諦める。重く腹の底にできた塊が全身の力を抜いてゆく。目が覚めると、淡いひかりが窓辺に差している。片付けをして、マルと一緒に寝そべって、ストレッチをする。一通り終えたところで、玄関の戸を開け、外に出る。涼しい。大谷石の農業倉庫を過ぎた三叉路を右に曲がり、踏切を左に見て家に戻る。一周した。やっと、一つの塊を終えた。

 午前、オンラインによる尾形亀之助『障子のある家』の読書会の記録を書く。それを参加者の方々にメールでお知らせする。それから工房に入り、詩誌の印刷をやろうと思う。昨日印刷した活字をすだれに戻す。それからテキンのインクを洗い落とす。ここまでは順調だったが、この先をやる気が出てこない。昨日の「継ぐ」という詩の続きの文選と印刷なのだが、やる気が出ない。どうしてだろうか。今日は日曜日なのだから休めと言っているようだ。そこへ、家人から海の方の町に新しくできたピザ屋のピザが食べたいと言ってくる。すぐに支度をしてテイクアウトのピザを注文し、取りに行く。白石川にか掛かる大きな橋を渡り、東根を過ぎ、山地を越え、海のある町に着く。ただ往復しただけでなのに、見知らぬ町に行ってきたことで気分が変わる。午後、エアコン置きいたリビングで楽天を試合をテレビで見ている。書こうと思っていた詩誌『やかん」18号の紹介を書く。それから帰るという息子を新幹線お駅まで送る。

 夕、マルと散歩。今日も消防倉庫で引き返す。家に着くと、遠くの方からマロンちゃんが歩いてくる。庭で、休んでいる間にマロンちゃんが家の前を通る。マルは急足で近づき、後ろを追いかけて、すぐに離れる。久しぶりに会った。

 夜、ベガルタ仙台の試合をテレビ観戦。このチームは試合によって出来不出来の差が大きい。腹立たしくなる。

 詩「継ぐ」の後に印刷する詩が「AI」という欧文表記のタイトルで、活字店に五号全角の「AI」と五号二分の『AI』を注文したが、二分はなかったらしい。それでタイトルの「AI」と詩文に出てくる「AI」の活字が必要になるのだが、一文字しかないので、どうしようか思案し続けている。乗り気にならないのは、これが面倒だからだろう。多分、所有している10ポイントの欧文活字をなんとか五号の組版に入れて印刷することになるのだが、それが面倒に思えている。